注文住宅でも完全な【バリアフリー】は難しい理由とその対策

バリアフリーは難しい間取り

二世帯なら必ず議論となる「老後対策

しかし、バリアフリーは際に設計するとなると難しいのが現実です。

そこでこの記事では、理学療法士の視点を踏まえたうえで、

  • 完全なバリアフリーが難しい2つの理由
  • 代替案としての手すり設置をおすすめする場所

について解説していきます。

しんめい
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老後も安心・安全に暮らせる家を作りたいと考える方はぜひ読んでみてください。
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今回のバリアフリーの定義

今回は家作りを中心に話をするため、バリアフリーを以下のように定義しておきます。

今回のバリアフリーの定義
  • 段差がなく
  • 車いすでの生活が可能であり、
  • 必要な部位に手すりなどのサポートがされていること。

というのも、本来バリアフリーとは

「対象者である障害者を含む高齢者等が、社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策、若しくは具体的に障害を取り除いた事物および状態を指す」

出典:Wikipedia

そのため、広義の意味では

  • 物理的なバリア
  • 制度的なバリア
  • 文化情報面のバリア
  • 意識上のバリア

を取り除くことが含まれますが、今回は「物理的なバリア」のみに絞って話をします。

完全なバリアフリーが難しい2つの理由

バリアフリーが難しい理由は2つです。

  • 道路から床の段差を無くすことが難しい
  • 理想のスロープの勾配は1/12~1/20

これらについて解説していきます。

理由①:道路から床の段差を無くすことが難しい

注文住宅でバリアフリー設計が難しい1番の理由は、「道路から床の段差を無くすことが難しいから」です。

木造住宅は、建築基準法によって以下のように定められています。

  • 床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とすること。
  • 外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに、面積300cm2以上の換気孔を設け、これにねずみの侵入を防ぐための設備をすること。

すなわち、

  • 床の高さ=地盤+45㎝

が必要になるため、道路から床まで一般的に約50-60㎝ほど段差が必要になります。

※ただし、構造を工夫すれば例外もあるそうです。

この問題を解消するために、一般的にはスロープを設置する家庭が多いと思います。

しんめい
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でも、安全で登りやすいスロープはけっこう条件が厳しいのです。

それを次で解説します。

理由②:理想のスロープの勾配は1/12~1/20

スロープを付ける場合、上り下りがしやすい勾配は1/12~1/20と言われています。

すなわち、50㎝の高さを生み出すために最低でも6mの長さが必要になります

スロープの勾配

実際には、多くのご家庭はこれほどの土地を確保できないため、傾斜が急なスロープを設置しているところがほとんどです。

しんめい
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実際に車いすを押すと分かりますが、傾斜が急なスロープでは介助者はけっこう力が要ります。

その結果、車いすでの移動・介助が面倒になり

「玄関だけ脇を抱えてつかまって歩く」

「段差のところは抱きかかえて移動する」

というふうに対応しているご家庭も多いのが現状です。

代替案としての手すり設置をおすすめする場所

手すり設置

ここまで、注文住宅でも完全な車いす生活をすることが難しい理由を解説してきました。

ここからは代替案として、

  • 後から簡単に設置でき、
  • 費用も掛からない

「手すり」について少し解説していきます。

理学療法士の資格を持つ立場としては、最低でも以下の場所に手すりを設置することをおすすめします!

手すり設置をおすすめする場所
  • 玄関
  • 階段
  • 風呂場
  • できれば廊下
しんめい
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最近では住宅メーカーでも、これらの場所に設置することを提案しているようです。
この理由は、家の中で転倒しやすい場所だからです。
手すり以外にも「段差解消機」や「昇降機」などの対策はあります。こちらは家の構造によってできるかできないか変わってきます。興味のある方はぜひケアマネや介護事業の専門の方へ相談をしてみてください。

住宅内事故が発生しやすい場所

過去の「住宅内で事故が起こった場所」をグラフで見てみます。

65歳以上の事故発生場所 TOP4
  1. 居室=45.0%
  2. 階段=18.7%
  3. 台所・食堂=17.0%
  4. 玄関=5.2%

実はこれらの高齢者の事故のうち、約半数が「転倒・転落」です。

具体的な事故例としては以下のようになります。

  • 起床時、夜間にトイレに行く際に転倒
  • 絨毯や毛布に足を取られて転倒
  • 玄関の段差につまづいて転倒・転落
  • 風呂場で滑って転倒
しんめい
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臨床的にもこれらの理由で骨折し、入院してしまう方はとても多いです。

そのため、高齢者がいるお宅では

  • 玄関
  • 階段
  • 風呂場
  • できれば廊下

に手すりを設置したほうが転倒する危険性は低くなると考えられます。

手すり選択のポイント=重心の動きに合わせることが重要

家の構造にもよりますが、手すりを選択する場合「縦型」と「横型」どちらを選べばよいか少しふれておきます。

結論を先に言うと

  • 重心が上下する場所では「縦型」
  • 重心が上下しない場所では「横型」

となります。

重心の上下があるか無いか

具体的には、以下のようになります。

  • 玄関の段差=縦型
  • トイレ=縦型 ※L字型も〇
  • 風呂場の湯舟に入るところ=縦型
  • 廊下=横型
  • 階段=斜め型

設備や広さによって多少変化することはありますが、基本的にはこのように考えればよいと思います。

まとめ:完全な車いす生活は難しいため、要所は手すりを設置でカバー

バリアフリーが難しい理由は以下の2つです。

  • 道路から床の段差を無くすことが難しい
  • 理想のスロープの勾配は1/12~1/20
しんめい
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自宅周辺を車いす生活でまかなうのはなかなか難しいのが現状です。

バリアフリーが難しいところは「手すり」でカバーしましょう。

手すり設置をおすすめする場所
  • 玄関
  • 階段
  • 風呂場
  • できれば廊下

これらの場所をおすすめする理由は、自宅内で事故が多いからです。

手すりを選ぶときの具体的な例として、こちらを参考にしてください。

  • 玄関の段差=縦型
  • トイレ=縦型 ※L字型も〇
  • 風呂場の湯舟に入るところ=縦型
  • 廊下=横型
  • 階段=斜め型
しんめい
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要所に手すりを設置して快適な老後生活にしましょう!

以上、老後対策の参考になればうれしいです。

ではまた。

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