「地震保険って入った方が良いの?」
と疑問に思う方は多いと思います。
結論から言えば、一条工務店のみならず、ほとんどの家で地震保険は不要だと私は思います。
実際のところ、地震保険の世帯加入率はわずか30%。

我が家も含めて、地震保険に入っていない世帯の方が多いのです。
この記事では、
- 地震保険の仕組みをザックリ説明したうえで、
- 地震保険が不要な理由を解説し、
- 実際に倒壊してしまったときの対策方法まで
紹介していきます。

地震保険に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
- 地震保険で、壊れた家を建て直すことはできない。
- あくまで被災後の生活再建が目的。保険に加入していても少なくないローンが残る。
- 東日本大震災でも65%が「一部損」扱いだった。
- 一条工務店の家が半壊・全壊になった事例は過去に無い。
- 被災したら、国の支援や法的措置を受けることを検討する。
一条工務店は「2倍耐震」に着手しているようです。しかも、地震による損壊を30年のあいだ全額補償するそうです。いっそう地震保険が不要になりますね!(この記事を読んでいただいた方から教えていただきました^^)
地震保険の仕組み
補償は「地震による被害」に対して
地震保険は、地震による被害に対して補償してくれます。

出典:住まいのサポート保険資料より
これは、地震によって生じた
- 火災や
- 津波も
も含まれます。
保険金額は火災保険の30~50%まで
地震保険は単独では加入できず、火災保険とセットで契約する必要があります。
そして、その保険金額は最大でも火災保険の50%までと決められています。
補償は4段階:全損・大半損・小半損・一部損
地震保険の補償は4段階に分かれています。
保険金額 | 建物 | 家財 | |
全損 | 保険金額の 100% |
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大半損 | 保険金額の 60% |
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小半損 | 保険金額の 30% |
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一部損 | 保険金額の 5% |
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※主要構造部とは、基礎、柱、壁、屋根などをいいます。
例えば、3,000万円の建物を購入した場合、地震による保険金額は最大1,500万円(火災保険の50%)なので、
- 全損(100%) ⇒1,500万円
- 大半損(60%)⇒900万円
- 小半損(30%)⇒450万円
- 一部損(5%) ⇒75万円
が支払われます。

全損でも半額しか戻りません。。
家財の対象となるもの・ならないもの
地震保険は、家財に対しても補償してくれます。補償対象となる家財は「持ち運びできるもの」が多いです。
- テレビ
- 冷蔵庫
- ソファ
- 食器類など
例外として、自動車や30万円を超える宝石・骨董品・美術品は対象になりません。
一方、建物に備え付けられている家具は家財ではなく「建物」に含まれます。
- 備え付けのカップボード
- 壁に埋め込まれた収納棚
- エアコン
家財の査定方法に関しては、こちらのサイトがとても分かりやすかったのでぜひ参考にしてみてください。
具体例を抜粋させていただくと、
家財の地震保険500万円に加入した人が、地震で次のような損害を受けたとします。
- 食器棚が壊れ、食器類が割れた。
- パソコン、テレビ、洋服だんすが倒壊した。
- 冷蔵庫が壊れ、中にあった食料品がダメになり、廃棄処分とした。
出典:UNIV LIFE「家財査定時の分類」
分類表(図)に基づいて損害額を計算すると、
損害額=17.5%
すなわち、「一部損」となるため支払われる保険金は、500万円×5%=25万円

家財保険も、壊れた家具だけの金額は出ないようです。
地震保険が不要な理由
ここまで、地震保険について解説してきましたが、ここからが本題です。
私が地震保険を不要と思う理由は次の7つです。
- もしもの時の補償が不十分
- 保険金額は「時価」で計算される
- 地震保険料は年々上がり続けている
- 損壊の基準はけっこう厳しい
- 一条工務店の家が半壊・全壊になった事例は過去に無い
- 近年の地震でも一条工務店の被害は最小限だった
- 一条工務店が全壊したら周辺の家や街は全部壊れる

前半の4つは「すべての家」に、後半の3つは「一条工務店の家」に当てはまることを述べています。
理由①:もしもの時の補償が不十分
地震保険は火災保険と違って、万が一震災の被害に遭っても補償が十分ではありません。
仮に家が全焼してしまった場合、火災保険であれば建てた費用が全額戻ってきます。
しかし、地震保険では全損しても半額しか戻ってきません。
例えば、3,600万円の家を建て、その直後に大地震で全損してしまった場合
- 保険金額は最大1,800万円下りるものの、
- 残りの1,800万円は借金として残る。

ローンは残りたったの1,800万円だ♪地震保険に入って良かった~ε-(´∀`*)
とはならないはずです。

なんでこんな中途半端な補償しかしてくれないの?
それは、地震保険の目的があくまで「被災者の生活再建」だからです。
この法律は、保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険することにより、地震保険の普及を図り、もつて地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とする。
出典:地震保険に関する法律より抜粋

壊れた家を直すためのお金ではなく、被災後の生活を守るための再建費用という訳です。
理由②:保険金額は「時価」で計算される
地震で家が倒壊したとき、補償される金額は被害当時の「時価」で計算されます。
つまり、家が全損してしまったとしても保険金の限度額が出るとは限りません。
時価とは?
同等の物を新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、使用による消耗分および経年劣化分を控除して算出した金額。
ふたたび、3600万円で購入した家を例にします。
- 3,600万円で建てた一戸建て
- 地震保険は1,800万円で加入
- 10年後の時価は2,700万円
- ⇒全損時に受け取れる保険金額は時価の50%である1,350万円
※時価の具体的な計算方法は調べても分かりませんでした(TT)。今回の時価は、保険相談サイト「niaeru」の例を参考に、10年で25%減としています。間違えていたらどなたか教えて頂けると嬉しいです。

タダでさえ不十分な補償なのに年数が経てば経つほど、減額されてしまうのです。
理由③:地震保険料は年々上がり続けている
地震保険料は年々上がってきています。
直近では、2021年1月にも約5.1%の引き上げが決定されており、今後も値上がりする可能性は十分にあります。

年数が経つほど補償される金額は下がるのに、保険料は上がる。
なんて無慈悲。。
理由④:損壊の基準はけっこう厳しい

でも補償がもらえないよりはよっぽど良いよ。一応入った方が良いんじゃない?
と、思う気持ちはとっても分かります。
では実際に被害に遭われた方々は、ちゃんと補償を受けることができたのでしょうか?
年 | 2011 | 2016 | 2018 | 2018 |
名前 | 東日本大震災 | 熊本地震 | 北海道胆振東部地震 | 大阪北部地震 |
最大震度 | 7 | 7 | 7 | 6弱 |
被災家屋数 | 1,153,398件 | 205,886件 | 15,978件 | 61,770件 |
損壊の割合(%) | 全損:10.6% 半損:24.5% 一部損:64.9% ※全損の90%が 津波による | 全損:4.3% 半損:16.9% 一部損:78.9% | 全損: 3.0% 半損:10.4% 一部損:86.7% | 全損:0.03% 半損:0.78% 一部損:99.18% |

地震・津波ともに過去最大級の被害が出た東日本大震災でも65%が一部損扱いでした。
一部損の場合、補償される保険金額はわずか5%です。
- 2000万円の保険なら2000×5%=100万円
- 1000万円の保険なら1000×5%=50万円
これを多いとみるか少ないとみるかは人それぞれですが、私個人としては

全然足しにならない。。。
実際、私の実家は東日本大震災で「一部損」となりました。
- 壁にひびが入り、
- 瓦が落下し、
- ビー玉が転がる程度に傾き、
- 軽い雨漏りをするようになったものの、
支給された金額はたったの24万円。

母:さすがにがっかりしちゃったわ。
このように、いざ被害が出たとしても「一部損」と認定され、大して補償してもらえない可能性は十分あります。
理由⑤:一条工務店の家が半壊・全壊になった事例は過去に無い
一条工務店の営業さんに尋ねてみました。

一条の家でも半壊になったことあるの?

半壊・全損になった例は聞いたことが無いですね。。
私もネット上で調べてみましたが、1つの例外を除いて該当する事例はありませんでした。
※その例外に関しては、建てた「土地」に問題があった不幸な事例だったようです。サスケさんが詳細に分析しています。興味のある方は読んでみてくださいね。

一条工務店の「家は、性能。」は伊達じゃない。
理由⑥:近年の地震でも一条ユーザーの被害は最小限だった
一条工務店の家ブログのなかで、被害を報告している方を探してみました。
結論として、被害は最小限だったようです。
いくつか紹介させていただきます。
震災名 | 北海道胆振東部地震 | 熊本地震 | |
お宅 | yukitan_homeさん宅の被害 | コスケさん宅の被害 | おののんさんの調査 (営業への聴取) |
被害 状況 |
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これを見る限りでは、一部損にすらならないレベルの被害です。
※東日本大震災のように津波が発生した場合、「流されはしなかったものの住める状態ではなかった」ようなコメントが見受けられました。今回の調査結果はあくまで「地震」単体での被害とお考え下さい。

逆に、津波リスクのある地域に建てる方は、慎重に検討した方が良さそうですね。
理由⑦:一条工務店が全壊したら周辺の家や街は全部壊れる
一条工務店の家が壊れるような大地震。
そんな大地震が来たら、周辺はすべてめちゃくちゃになっているはずです。
かつてないほどの大規模な震災が起きてしまったとき、保険金はちゃんともらえるのでしょうか?
これに対してホリエモンは、「保険会社は、保険金が支払えずデフォルト(債務不履行)になる。」と述べています。

またまた~。ホリエモン節でしょ?
と思いたいですが、これは冗談でもなんでもなく、地震保険のサイトにもしっかり記載されています。
1回の地震等によって政府と損害保険会社が支払う保険金総額に限度額が設けられています。
万一、想定を超える地震災害が発生し、算出された保険金の総額が総支払限度額を超える場合、契約ごとに支払われる保険金は削減されることがあります。
出典:日本地震保険株式会社「地震保険Q&A」

一条工務店が半壊・全壊するほどの大地震が起これば、デフォルトになってしまう可能性も。。。?
実際に大地震で倒壊したらどうするか?

そんなこと言って、もし家が全壊したらどう責任とるんだよ!
と言われても責任はとれないのですが、我が家が考える対策を3つ紹介しておきます。
- あらかじめ生活防衛資金を貯めておく
- 被災者生活再建支援制度を利用する
- 自己破産を検討する
それぞれ補足していきます。
あらかじめ生活防衛資金を貯めておく
震災の被害に遭った場合、仕事どころでなくなり収入が途切れる可能性があるため、生活防衛資金を貯めておきましょう。
被災生活は数カ月~数年続くことも考えられるため、少なくても1年分は用意したいところです。

我が家も1年分の生活費を蓄えてあります。
被災者生活再建支援制度を利用する
被災した場合、「被災者生活再建支援制度」を利用しましょう。
被災者生活再建支援制度とは、自然災害によって多大な被害を受けた被災者の生活再建を目的とした制度です。

最大300万円ほど支援金が支給されます。
自己破産を検討する
最終手段として、自己破産を申請することも考慮しましょう。
私自身理解しきれてはいないのですが、端的に言えば「20万円程度の資産を残して借金を帳消しにしてくれる制度」です。
家が全壊してしまった場合、
- 地震保険でローンの半分を返済したあと、残りをコツコツ返済する。
- 自己破産して1からやり直す。
どちらが良いでしょうか?

なんか、どっちも苦しくね?

そう。どっちにしても苦しいのであれば私は「右」を選びたい。
つまり、こんなイメージです。
- 被災者生活再建支援制度を利用しつつ、貯金を切り崩して生活する。
- 生活が落ち着き、仕事を始める目途が立ったら、自己破産してローンを帳消し。
- 20万円の生活水準で暮らし、コツコツ働く。
- お金が貯まったら新生活を検討する。

実際の被災生活は生半可なものではないと思いますが、金銭面についてはこのようなストーリーを考えています。
まとめ:仕組みを理解して必要性を確認しよう。
地震保険の仕組みをザックリ説明しつつ、地震保険が不要な理由を解説しました。
私は、一条工務店のみならず、ほとんどの家に地震保険は不要と考えています。
- もしもの時の補償が不十分
- 保険金額は「時価」で計算される
- 地震保険料は年々上がり続けている
- 損壊の基準はけっこう厳しい
- 一条工務店の家が半壊・全壊になった事例は過去に無い
- 近年の地震でも一条工務店の被害は最小限だった
- 一条工務店が全壊したら周辺の家や街は全部壊れる

結局、地震保険に入ったところで生活は守れないと思います。
ただ、実際に地震で倒壊してしまったらもちろん困るので対策は必要です。
- あらかじめ生活防衛資金を貯めておく
- 被災者生活再建支援制度を利用する
- 自己破産を検討する

自己破産は最終手段ですが、選択肢として知っておくと気持ちが少しラクになります。
地震保険料も安くはありません。人によっては年間3~4万円もかかります。
保険料のために普段の生活を我慢するようでは元も子もないので、この記事が地震保険を見直すきっかけになれば嬉しいです^^
ではまた。
▼関連記事です。
火災保険は、複数社で比較することをおすすめします。

我が家は、ソニー損保の火災保険を選びました。



コメント
初めまして、コメント失礼します。
一条工務店なら今建てる方でしたら2倍耐震での施工が可能で、この2倍耐震にするともしも地震で全壊、半壊、一部損壊になったら補修費用などは全額保証するという話でした。通常でも今迄一度も全壊半壊になった事が無いからこその自信ですね。
また、この2倍耐震にすると家そのものの強度が上がる為、もしも津波が来ても流されにくく壊れにくくなる、また、今月から説明があった耐水害住宅にすると数メートルの洪水でも家の中に水が入ってこない家に出来るとのことでした。
一条工務店は今後は災害対策特化住宅として他メーカーと差別化していくとかんじました。
シンさん
コメントありがとうございます。「2倍耐震」存じ上げませんでしたΣ(゜゜)。私が契約した頃から約2年でますます進化しているんですね。。
「2倍耐震」と「耐水害住宅」の性能と全額保障があれば、地震保険は1㎜も必要ないですね^^
教えていただきありがとうございました!